フルコンタクト空手(直接攻撃を相手に当てる空手)では、ローキックという蹴り技が
多用されます。相手の膝から股関節の間を、主にスネで蹴ります。
当て方にポイントがあり、ぶつけるように蹴るのではなく、食い込ませるように蹴ります。
この蹴り技は、蹴り方を知っている人が蹴るとその威力は絶大です。
普段の練習では、もちろん全力で蹴りを当てたりはしません。
伝統派にはない、技の違いの一つと言えるでしょう。
芦原空手では、攻撃のためだけでなく、相手の態勢を崩すためにも使います。
昔、先代館長が軽くポンと蹴ったローキックの信じられない威力に、唸った黒帯が多数いました。
私の知り合いで、格闘技の経験のあるローキックを知らない方が、職場のフルコンタクト空手経験者の女性に、「ローキックってどんな感じ?ちょっと蹴ってみて。」というと、その女性が「本当に蹴ってもいいんですか?」となりました。
結果、その女性の蹴りを受けて、信じられない痛みでうずくまったということを聞きました。もし、私がその場にいたら絶対に止めたと思います。
ローキックを知っているか知らないかで、個人の空手における武器の威力は大きく変わってきます。