岡山市にも色々な流派の空手ががありますが、今回は攻撃を当てるフルコンタクトの空手と、ポイントを中心の寸止めの空手の違いについて考察します。まず、組手の際の意識の違いについて解説します。
フルコンタクト空手をやっている人は、基本的にボディ(体幹部)の攻撃は効かないと感じています。
タイミングよく力の抜けた時か、力のレベルの差がある相手以外は1発ボディに入ったぐらいでは倒れません。
試合を目的にしない初期のフルコンタクト空手や芦原会館では、両手で顔面をガードして構えます。
両手で顔面をガードした方が実戦的だからです。顔は叩かせないで、ボディを攻撃してきた相手にカウンターで返せます。
伝統派の道場で防具を使用したり、実際に当てていく練習をしているところもありますが、意識的に違うところがあります。
フルコンタクト空手では、ボディに何発当てようが効いていなければ関係ありません。一方、伝統派同士の組手では
1発、攻撃を入れたら、攻撃した方も、入れられた方も、そこで「1本入った」と思ってしまうのです。(動きが止まる)
私事ですが、40年前に伝統派の空手から、フルコンタクト空手に転向した際、組手で「1発入ったのに、なぜ平気な顔して前に出で来るのか」
と驚きました。当たり前です。効いていなければ関係ないからです。言ってしまえば、効かない攻撃は、受ける必要がない
とも言えます。空手黎明期では、型の動きは、接近戦で実際に使われていたと感じます。
しかしながら、伝統派の組手では、目にも止まらない速さで飛び込んで攻撃していきます。その速さは尋常ではありません。
ただ、そのためにはそれなりの距離が必要なため、狭い場所での攻防は不利になります。
フルコンタクト空手では、接近して戦うのは当たり前なので、狭い場所での攻防には長けていると思います。